クロスケ

SOMEWHEREのクロスケのレビュー・感想・評価

SOMEWHERE(2010年製作の映画)
4.9
【再鑑賞】
エル・ファニングが愛おしすぎて辛いです。
朝、目を覚まして眼前で彼女が微笑んでいたら、それはもう天使としか思えない気がします。

エル・ファニングの眩い魅力。その刹那的な生の輝きをハリス・サヴィデスのカメラが見事に捉えています。
フレーミング、レンズの選択、光線の処理…どれも的確で、そのままスチールにしてもいいようなお洒落なショットの連続に、思わず唸ります。

ただ、最も感動したのはエル・ファニングが映ったショットではなく、写真のようにばっちりキマったショットでもありませんでした。
クレオをサマーキャンプへ送り出した後、一人残されたジョニーが乗るヘリの窓から差し込む夕暮れの淡い光に、ふと涙腺が緩んだのです。

不安定なハンディショットで収めた逆光気味のジョニーの横顔が、クレオの不在とその存在の尊さを際立たせる素晴らしいショットだと思いました。
クロスケ

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