洒落にもならない恐怖映画。
全然楽しくないけど、序盤の平和な雰囲気と打って変わり、どんどん気持ち悪さが加速して後半釘付け。
青年も状況を好ましく思い、弄ぼうとした部分もあり、都合の良さが悪夢の引き金を引いたとも言える。
一人の人間に真っ向から関わり、自らの孤独に気づき、積み木が崩れるかの如く感情が堰を切ったように流れ出す。
余りにも屈折した届かない愛の形。
それまでの一種禁欲的な生活も、見方を変えれば人を遠ざけた独りよがりなものであり、その後の独善的な行動も頷ける。
光と影のバランスを利用したカット、寂寥たる映像、館の異質性。
信じたくないような寓話的な雰囲気がいい。