Rio

渇きのRioのレビュー・感想・評価

渇き(2009年製作の映画)
4.0
  「2人とも 地獄に落ちます」

パク・チャヌク監督の“人間ではない存在の三部作”の第二作

中島哲也監督は『渇き。』
パク・チャヌク監督は『渇き』

ヴァンパイア神父と鬱屈とした人妻の不倫
愛に飢え血に渇きを覚えた男と女の物語

敬虔な神父サンヒョン(ソン・ガンホ)は病に苦しむ人々を前に、祈りでは救うことができないという無力感に囚われていた

     「人を救いたい」

サンヒョンは自ら死を覚悟し、発病したら100%死ぬという謎の致死性ウイルスEVのワクチン研究の実験台に志願

全身に水疱ができ、大量出血
死亡

と、思われたが奇跡的に復活!

しかし身体に異変を感じるように…
実は輸血によりヴァンパイアになってしまったのだ!

日光NGで昼間の活動ができない
五感が研ぎ澄まされ、超人的なパワーを手に入れた

そんな中、偶然再会した幼馴染のガンウ(シン・ハギュン)
ガンウの妻テジュ(キム・オクビン)とサンヒョンは惹かれ合う

ヴァンパイアになっても人間性や信仰心はそのまま

キスすらしたことなくて、童貞貫いてきた神父
聖と性の葛藤
人を殺すことは絶対にしたくないが、血を欲してしまう苦悩
さぁどうする??という話

小説『テレーズ・ラカン』にインスパイアされたという作品

奇抜で過激で官能的
絵画のような美しさと残酷さ
パク・チャヌク監督のアートセンスが爆発している変態映画

ヴァンパイアといったら暗闇のイメージ
本作は人工的な青白い世界
血の色と対比的で美しい
多国籍な雰囲気もいい

ちょっとほっそりして若返ったようにみえるガンホだけど、キム・オクビンとの年齢差がちょっと気になる
日本で妄想キャスティングするなら、豊原功補さんと二階堂ふみさんだな〜

『復讐者に憐れみを』のガンホとシン・ハギュンの共演はうれしい
シン・ハギュンはマザコン夫役で鼻水垂らしててなかなかキモい
ピーターパンみたいな部屋着がほんとにきついw

血を吸う行為ってエロい

以外ネタバレあり











真っ白な部屋
真っ白な服
真っ白な笛
演奏上手くはないけどリコーダーのメロディーが美しく聴き入ってると

血  ボェエエエエエエエエエェェッ

このシーン好き

テジュが後ろから持ち上げられて靴履かせてもらうシーン好き

釣り針で耳シュパーン!!あれは痛い
ヴァンパイアが殺した亡霊に怯えるってのも斬新

すべてを知ることになるラ夫人
この小粒な目の演技も素晴らしかったなー
ラ夫人がソファーでくるくる回されたり、ソファーごと持ち上げられたりするの笑える

テジュが生まれ変わった時の目の輝き!
ヴァンパイアになった事で苦悩し葛藤する神父と対称的に、開放に喜びを覚え欲望のまま加速していくテジュ

  「キツネが鶏を食べるのが罪?」

まー怖い女ですよ!!
惚れたら負け
もう戻れない
落ちてく

理性を失い、破滅的な愛
『別れる決心』に通ずるものがある

オ・ダルスが言ってた
  「名残惜しいくらいがいいんです」
うんうん、何事もそう!

終盤、キャンプしてる女性を襲うのはどういった意味があるんだろう…
立ち上がったガンホの股間の闇w

信仰より医学とか、神父が神に背くとか、これは信者から抗議こないのかな?という素朴な疑問

たぶん4回目の鑑賞
最初観た時は、なんじゃこりゃ!
今回もやっぱり、なんじゃこりゃ!と思いつつ
好き
好きな映画レビュー長文になりがち
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