【第86回アカデミー賞 美術賞、衣装デザイン賞受賞】
『エルヴィス』バズ・ラーマン監督がフィッツジェラルドの小説を再映画化した作品。アカデミー賞では美術賞と衣装デザイン賞を受賞した。
バズ・ラーマンらしい豪華絢爛な世界観で美術と衣装が評価されるのも納得。ただ、演出や構成は1974年のレッドフォード主演版の方がよくまとまっているし好きかな。
レオナルド・ディカプリオがイマイチ魅力的でないのが致命的。レッドフォードの方が存在感があったし彼の悲哀をよく表現できていた。ディカプリオが悪いというよりバズ・ラーマンが生かしきれていないのが問題だと思う。
バズ・ラーマンの装飾的な描写だけが目立ってしまい物語に深みが感じられない。演者も画面の豪華さを演出する駒の一つにしか感じられずキャラクターが立っていない。
大金持ちギャツビーの悲哀というのがこの物語の肝なはずなのにナレーションベースで済ませてしまうのはいささか安易すぎやしないか。
バズ・ラーマンの悪いところが出てしまった作品という印象。キャリー・マリガンも確かに美しいが十分に生かせているとは言いがたい。もう少し腰を落ち着けて撮ってほしかったというのが正直なところ。
「グレート・ギャツビー」の映画化作品なら少々小ぶりではあるがレッドフォード主演版の方がオススメ。