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ひまわりと子犬の7日間のterusukのレビュー・感想・評価

ひまわりと子犬の7日間(2013年製作の映画)
3.9
保健所によって保護された犬は、年間で二千頭程度が殺処分されているそうだ。
民間の愛護団体による保護活動の成果や、法改正の影響もあるんだろう、犬の殺処分は年々減少傾向だ。
殺処分はガスや注射によって行われ、出来るだけ痛みの無いように配慮されている。

この数十年、犬や猫の置かれている環境は、改善していると思う。

昔は野犬や野良犬がそれなりにいて、噛みつかれる恐怖に怯えたり、勇敢に戦ったりする猛者がいたり。
事故で臓物を晒す死骸が朝の通学路にいて、みんな遠目で見てるけどどうすることもできず、通り過ぎるんだけど、下校時にはキレイに無くなっていて、あれは何だったんだろう、みたいな言語化出来ない不可思議な感覚を持ったこともあった。

動物の生き死にが、あからさまだったのかも知れない。

それが、時代を経るにつれて、生きるも死ぬも、表には出てこない。ただ、陰でひっそりと殺処分されてきたのかもしれない。

そんな殺処分の現場を、ガッツリ描く作品だ。

キレイゴトではなく、命を自分の手で終わらせる途方もない責任を背負わせられる業務。

堺雅人が素晴らしい演技。
犬相手でも、しっかり対峙した芝居をしている。
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