最近観た映画の中でも影響を受けざるを得ない作品だった。
まず、この作品が「嗅覚」にフォーカスを絞っていたのがコンセプトとして興味をそそらせるポイント。よくあるヒューマンドラマのように抽象的な人間賛歌のテーマや、カタルシスを煽るルーティンとは別のベクトルで感情移入をさせられる。それでもベン・ウィショーの「演技にみえない演技」から放たれる神秘的な雰囲気と、その主人公の口数の少ないキャラクターが感情表現を曖昧にしている。ので、個人の思考回路や洞察力から展開の予想を嗜みながらスムーズに観ることが出来た。これをサイコスリラーやサスペンスとしてもカテゴライズする事が出来るかもしれないが、殺人をする側で描かれていることもあって、五感のうち一つの感覚にスポットライトを当て、その極地に迫った分野だと言いたい。
終盤のシーンではkanye west の Famousを流したい。
