ストーリー、人物像、キャストどれも良かった。邦画で久々の高スコア。
時間をかけてモノづくりに没頭する人は、美しい。こんな仕事をしたいと思った。言葉とは人と繋がるための舟、大海を揺られながら人と人は言葉を介して想いを渡し、分かち合う。
馬締の人間としての成長、西岡の人間臭さとダサさ、そしてかぐやの愛らしさ。
彼らの人間性が、言葉という主題にさらに深みと陰影を与えてくれる。恋の語釈が生まれた瞬間がまさにそれ。
「こい【恋】 ある人を好きになってしまい、寝ても覚めてもその人が頭から離れず、他のことが手につかなくなり、身悶えしたくなるような心の状態。成就すれば、天にものぼる気持ちになる」
「舟」と「編む」。どちらの言葉も、そしてその掛け合わせも秀逸。原作も読もうと思う。