梅ちゃん

舟を編むの梅ちゃんのレビュー・感想・評価

舟を編む(2013年製作の映画)
4.0
仕事や周りの人々との関わりを通して、人付き合いが苦手な主人公が、一人前の辞書編集者として成長してゆく様を描いた、三浦しをん原作小説の映像化作品。

基本的に、登場人物が皆魅力的で、不器用ながらも懸命に使命に取り組む主人公馬締をはじめ、愛すべき人々が多数登場します。
とりわけ、オダギリジョー演じる同僚の西岡は、軽いノリの見た目に反して内面は激熱という、個人的にツボなキャラクターでした。馬締の部屋での飲み会のシーンでは、思わず落涙。ダサくなんてない、最高にカッコ良かった。
また、宮﨑あおいさん演じるヒロインの香具矢さんは登場シーンが印象的。月明かりに照らされて(カグヤだけに)、人じゃないんじゃないかと思うほどの神秘的な美しさでした。達筆過ぎる恋文(バラバラッと開く昔のスタイル!)を馬締から渡され、『普通読めないでしょう!』と怒る様も非常に愛らしかった。

これは辞書編集という自分の知らない職業を知ることもできた、非常に興味深い作品でした。終わりかたも好印象。