青二歳

カミハテ商店の青二歳のレビュー・感想・評価

カミハテ商店(2012年製作の映画)
3.1
大学専攻課程の製作ですか。そう思うとすごいですね(音楽以外はプロかと)。老いた高橋恵子(旧姓:関根恵子)の陰鬱な横顔がとてもセクシー。
自殺の名所となった断崖のある山陰の小さな港町上終(かみはて)…その町で手製コッペパンと牛乳を売る小さな商店。自殺志願者は嚙みしめるようにそのコッペパンをほおばる…
その商店を守る高橋恵子(歳とってもやっぱり可愛い)。近くの漁港でお手伝いしながら生計を立て、夜は静かに手ごねでコッペパンを焼く。遠く離れて暮らす弟に寺島進。中小企業を経営しているが業績は不振。子供時代に父親を自殺で喪った痛みの記憶を抱える姉弟。

痛みの記憶から再生の物語というところでしょうか。実はこれ…テーマが漠としていまいちよく分かりません(悪いということでなく)。年老いてからの再生という設定と観ればもうひと押し説得力もたせて欲しいところですが、関根恵子の"ここでないどこか"を見つめるメランコリーな横顔でカバーされている感。彼女の横顔が大好きです。
青二歳

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