ななこ

次の朝は他人のななこのレビュー・感想・評価

次の朝は他人(2011年製作の映画)
4.5
個人的ホラー映画。

映画を観ることがど下手くそなので、起承転結がはっきりしない分かりにくい作品は気づいたら寝てた、ということがよくあるのであまり観ないようにしてました。

だけど、この映画は違う。
うち秘めたるメンヘラスキーマが疼き、食い入るように観てしまった。え、私の映画じゃん。こわっ。って。口、開いてた、絶対。

映画はその物語に自分と重ねることが出来る要素があると自分のことのように感情移入してしまう。この作品は気味が悪いほどに、あった。

あれは恋なのか…?私がチョロいだけ?ダメだ、忘れよう。

さて、このホラー映画の怖いところを述べていくと
・主人公 ダメ男
・でも魅力的
・こいつはすぐ人を好きになる
・すぐキスする
・でも「次の朝は他人」化

という男が自由奔放で切り替えが異様に早いところ。男女間の軽く、熱く、曖昧な関係をシンプルに描いています。これを描けるの、すごい。
しかも、この設定、ホン・サンスの殆どの映画に共通するっていうのもアレ。男が怖い。何考えてるか分からない。

彼、彼女のことはなんとなく好き。だけどそれは、付き合うとか付き合わないとかいう二元論で語ることではない。その真ん中、グレーゾーンが大人の恋愛なのかな。え、こわっ。
とにかく、真剣交際という四文字熟語はこの映画には出てきません。みんな、ふわふわしてる。

名物の「必殺ホン・サンスズーム」も沢山出てきます。この作品をきっかけにいくつか彼の作品を観たけど、どれも謎のズームを多用していて、普段の生活でも、まるで自分の目がズーム機能ついているかのような感覚で街を、人を見ちゃいそうになる。

雪が降り積もる白黒で描かれたソウルは、なんだかとっても素敵だった。あ〜(笑)
ななこ

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