次の朝は他人の作品情報・感想・評価・動画配信

「次の朝は他人」に投稿された感想・評価

映画監督がある居酒屋を訪れる話。

数パターンの展開が見れて興味深い。
特に連絡先のやりとりが、あんなに人によって違うなんて面白かった。
人によって態度を変えると聞くと悪いイメージだけど、人によって対応を変えてるんだと思った。
マヒロ

マヒロの感想・評価

3.0
先輩に会うためにソウルの町にやってきた映画監督のソンジュンだったが、しっかり連絡をしていなかったためなかなか出会えず、あてもなく町を彷徨うことになり……というお話。

『教授とわたし、そして映画』『ハハハ』と続けて観たが、共通して「主人公が映画監督」「先輩がいて酒を飲み交わす」「思いを寄せる女性がいるがなんか上手くいかない」という共通点があって、その設定の中でシチュエーションや雰囲気を変えて全く違う映画を作り上げているのが面白い。

今作も主人公が酒を飲んでグダグダ喋ったりしてるだけのように見えるんだけど、徐々に違和感を覚えるような形になっていて、例えば以前言葉を交わしたはずの人物と次の日会うとはじめましてと声をかけられたりと、1日がループしているのか記憶がリセットされているのか、主人公が謎の時空間にいる分かってくる。
本当にSF的に時間や空間の捩れが起きているのか、それが何かのメタファーなのかは明示されないが、オフビートな展開とモノクロの画面も相まって、文学的な繊細な雰囲気を湛えている。

ソンジュンはやたらと道端で自分のことを知っている人と出会うが、それが何か物語の推進力になっているわけではない辺りとか、人間関係の希薄さを日ごとにリセットされる世界として描写しているのかな……とも思ったけど、完全には理解に及ばず。
ただ、映画全体の空気感は完成されていて、シンプルに雰囲気に浸るだけでも心地良い一作だった。


(2021.88)
難解。町山さんに解説してほしい笑 三回繰り返す「BAR小説」の妙。一回観ただけでは掴みきれない。が、何ともいえない存在感・魅力はある。要再見。
ほんと毎回タイトルがいいな。

ホン・サンス作品で舞台がソウルの作品は初めて観ました。ほかの作品でもやっぱり首都ですから、名前が出るくらいの登場ならあったんですけどね。
ここで気になるのはロメールにとってのパリのようなとらえ方がされていたのかどうかという点です。
結論から言えばそういう風な気もするし、そうじゃないような気もするといった感じですね。でも考えてみれば都会に対する感情として、好きとは認めたくないがどうしても惹きつけられてしまうというものは、案外ありふれたもののようにも思えます。

何事に対しても理由なんてものはそもそも存在せず、結局理由と呼ばれているものは、ありとあらゆるお互いに作用しあう偶然をこじつけたものに過ぎない。

なるほど。お話としては面白いです。理由は存在しないという仮説の証明のために、帰納法的な理由を用いた説明をしなければならないというジレンマも含めてちょっとロメールっぽかったですね。
to

toの感想・評価

5.0
理由はないですよ。人生は理由のないことの集合体なんです。その中から人間が選んで、理由という思考の線(ライン)を作る。ええ、いくつか選び出して、理由という名前を付ける。例を挙げますね。私がコップを落として割ったとする。その瞬間、なぜ腕がこの位置なのか、なぜ体を動かしたのか、数多くの偶然がそこには作用しているはずです。しかしみんなは、壊れたコップを惜しんで、俺がコップを壊したと非難する。俺が理由だというが、実は俺は理由じゃない。

そうね、背後にある偶然は全部数えられないから。その偶然の背後に、また偶然がある。

その通りです。現実的には適当なところで妥協して折り合うしかない。でも実際は数多くのことが相互作用をしているんです。だから私たちが判断した行動は、いつも完全ではないし、時に的外れになる。その理由がこれだと思います。
7子

7子の感想・評価

4.0
あーーーっ、かなり、、かなり好きですね、、ホンサンスの好感度はめちゃくちゃ低いけどかなり好きですね、、メタ視点での「理由なんてない」が効いてて楽しい〜特別な感動感激はないが妙に思い出してニヤニヤするタイプの映画〜好きだ〜
SN

SNの感想・評価

4.4
物事に理由なんてない。人間が勝手に理由の線を引いてるだけだ。

困ったら乾杯だ。

3行でいいから日記をつけよう。
これは秀逸。ホン・サンス作品の登場人物たち街中で偶然出会い過ぎだろとは以前から思っていたのだけど、その謎が解けた。偶然と事象の相互作用、その無限連鎖を人生と呼び、繰り返しても少しずつ変わっていく。不毛なようで実は奇跡の連続であった今この瞬間、愛すべき日常。ソウルの雪景色がモノクロに映えていたのと、相変わらず飯と酒が美味そうでした
Sari

Sariの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

2021/05/14 DVD

〈恋愛についての4つの考察〉シリーズの一作。
映画監督の男が、先輩に会うためにソウルに上京したが連絡がつかず、時間を潰すはめになり喫茶店や酒場で過ごす。知人の女優や、監督のファンらしき若者グループに声をかけられ一緒に呑むが酔って悪態を付き…。
過去4本の映画を撮った(一般的には評価されていないが一定のファンは居る)監督ではあるが現在は映画の講師をしている。2年前に別れた恋人に未練があり彼女を深夜に訪ねたのがターニングポイントとなる。‘’小説‘’というバーでようやく会えた先輩、先輩の後輩女性とテーブルを囲み、後にもう一人の先輩が加わったり繰り返し登場する‘’小説‘’での長回しの会話シーンは、主人公が割れたコップに例え人生は理由のないことの集合体だという台詞から見ても、本作の重要なシーンと言わんばかりだ。レストラン‘’多情‘’も同じく。
バーで弾くクラシック・ピアノ、別れた恋人に瓜二つの美しい女性オーナーが着ているクラシカルなコートとパンプス、雪が舞う中のキス・シーンなどがフランスのモノクローム映画のように美しい映像だった。当初はカラー作品で後にモノクロに変更されたというが正解だと思う。
後に公私パートナーとなるキム・ミニをミューズに撮った近年の完成された作品とは違い、約10年前のホン・サンス監督作品にはよりフレッシュな感覚を覚え、恋愛主義の微妙な立ち位置の男性を迎えており面白い。間違いなくロメールのスピリットを受け継いだ会話シーンと、登場人物が映画関係者という群像劇で面白かった。
モノクロの夜に浮かび上がる
あなたと私と白い吐息

昨夜は一つになれたのに
次の日になればそれもただの思い出

名前も覚えていない他人には教えるのに
私には電話番号も教えてくれないあなた

ぼやけていく思い出と三つの約束だけを胸に
私はまたもう一つの欠片を探すのだろう

冬の道を一人で歩くのは寂しいのに
二人だと逃げ出したくなる矛盾

一人で眠りにつく時に見る夢は
ずっとモノクロのまま
>|