すっかり忘れていたけど、2001年って確かにあった。
そうだ、東京の街はこうだった、と震えるほど思い出した。
孤独を際立てる都会。
その時代の空気感がそのまま映し出されている。
インターネットが徐々に普及しはじめ、みんながみんなケータイを持ちはじめて。
でも今ほどの情報量ではないから夢を見るには本当に丁度いい時代だったと思う。
彼女だけではなくみんな特に用事もないのに街に出てうろうろして、何かを探して、ひとり同士で出会って友達のような顔をする(本当は相手のこと何ひとつとして知らないのに)。
メンバーがたくさんいる、とたくさんの名前が並ぶアドレス帳を開いても、きっとみんな彼女のことをとても大事だとは思ってない、彼女もその一人一人に対して同じだと思う。
繋がっている、という感覚を得ることが大事だったのだ、きっと。
統合失調症になってしまう彼女だけど、田舎には家族がいる、ということはとても救い。
やはり、人間とはどう関わっていくか、寄り添っていくかが課題だと改めて。