石

レ・ミゼラブルの石のレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
3.5
キリスト教的倫理観(現代社会の倫理観)の限界 (欠陥、矛盾) の煮凝りという感じで、しかもそれを中世の壮絶な身分の人々による素朴・率直かつ展開の速い感情表現で食らう。非常に苦しかった。途中ヒカキンとちょんまげ小僧の動画を見て休憩してようやく観られました。
この作品が160年も読まれ続ける理由がよくわかる。現代においても人間の倫理観を扱うときには同じテーマ (ざっくり、規律vs愛みたいなの) が横たわっていて、変化があったとすれば、せいぜいかつては男性が葛藤する立場にあったものが今は男女問わず直面するようになったくらいのもの。その命題を解決するには倫理観の根本的な構造変革が必要だと思うけど、そもそもその葛藤を物語りとして美化するノリもある。最近よく人間って何も変わってないなと思う。革命前夜。
冒頭30分アンハサウェイのターンが個人的なピークで、後半は男の映画だな〜と思ったけど、男というか、キリスト教の話なんだなぁ。
心に残る言葉はいろいろあった。
抱いているその女は死んでるわ!
絵画的な画面作りも印象的。

ずっと観ようと思って後回しにしていたら10年も経ってしまった。
公開日と今とじゃまた受け取られ方も違うんだろうと思う。
石