みむさん

レ・ミゼラブルのみむさんのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
5.0
歌える「スター」を揃えて往年の名作を仕上げたことに意義があると思う。
ヒュー・ジャックマン、アマンダ・セイフライド、アン・ハサウェイの来日イベントに行ってきたときに、ヒューがまだ無名の頃この役を断られた過去があると話してた。そのプロデューサーが本作でもかかわってる。そういうのもあって思いいれも強かったとか。

長年のレ・ミゼラブルのファンにはどう映るかわからないけど私はかなり感動した。キャストが最高によい。

ヒューも舞台出身の俳優でミュージカル経験あり、ラッセルは自身のバンドでボーカルを務めてる(CDも出してる)、アマンダはマンマミーアで歌唱を披露済み、アンハサウェイも舞台経験アリ(母も舞台で同じ役をやっていたそうでこちらも思いいれ強いらしい)

歌えて、しかも「スター」をそろえるのって大変じゃない!?って思ったけど、うまいことこのメンバーが揃ったなー。

映画にありがちな吹替えなし、後付なし、演技しながら熱唱しただけあって感動もひとしお。

舞台には舞台の良さがあるけど映画には映画のよさがあると思う。
それはやっぱり画的なスケールの大きさ。あれは映画ならでは。

私は歌だけで見せるミュージカルはちょっと苦手なんだけどストーリーがしっかりしてるのは好き。本作しかり、「オペラ座の怪人」しかり。

それぞれのキャラクターが良く、山あり谷ありの物語なので歌ありきじゃなくても楽しめるから。

どのキャラクターも悲しい場面があり、どこをとっても泣けそうなんだけど、私はやはりアンハサウェイの独唱でまず涙腺崩壊。
そして、ラッセル演じるジャヴェールが善悪と自己否定で悩み投身するところでまた涙。
民衆の歌で鳥肌がたち、ジャンバルジャンの最期はまるで「ぼくは、もう疲れたよ、パトラッシュ」を思い出し滝涙。

劇場ではハンカチが手放せなかった。家で再鑑賞しても、同じところで泣けた。

ブロードウェイを含む世界各地でロングラン上演されているのも納得の物語。

ヒュージャックマンはこの役作りで痩せすぎて奥様に気づかれないことがあったとか。成長したコゼット役にアマンダを起用した理由に「一番美しくて歌える」と言ってた監督にアンハサウェイが「何ですって!?(半怒)」ってツッコンでたのも笑えた。

たしかに、このアマンダ美しい。そう言わしめるだけのことはあるわー。実物を観て予想を上回る可愛さ美しさに度肝抜かれたし。

ラッセルクロウのクマさんみたいな見た目が最初は気になっちゃったんだけど観終わった頃にはそれさえもツボってしまいました。

これだけのスター共演で完成させたことは本作に馴染みのない客層に観るキッカケを与えたという意味でもよかったのではないかと思う。
そりゃ、各所でミュージカルが本職の演者で上演してるのでそれと比べてどうこう考えるとイロイロ思うところはあるだろうけど。

ミュージカル映画としては「オペラ座の怪人(ジェラルド・バトラー版)」とともにお気に入り。