あまのうずめ

ファルコン・レイクのあまのうずめのレビュー・感想・評価

ファルコン・レイク(2022年製作の映画)
1.8
バスティアンは両親と弟とバカンスで母の友人ルイーズの湖畔の家を訪れる。その家にはバスティアンの3つ上で16才のクロエがいる。兄弟はクロエと湖に行き、クロエはここで水死体が上がったとバスティアンに話した。泳ごうと誘われたバスティアンだが、溺れた経験があり深くまで入って行けなかった。


▶︎カナダの俳優シャルロット・ル・ボンの初監督作。初監督作らしい初々しさがバスティアンとクロエの青春に重なっている。16ミリフィルムで撮影されていて画面のざらつきがひと夏の湖畔のバカンス感を増幅させていた。

ラストを知るとヒントが沢山散りばめられていたことを拾えるが、脚本そのものは退屈で途中離脱したい気分にさせられた。何度も繰り返すバスティアン一人の帰宅、16才らしいと言えばそうだが統一しないクロエの厨二病ぶりにバスティアンの方が大人じゃんと、精神年齢が高いはずの女子を描き切れてないもどかしさにイライラした。

そして16ミリフィルムなのを差し引いても照明が圧倒的に活きてなく、脇を締める脇役がいなかったこともフワフワしただけで終わったことに繋がっていたと思う。画角にこだわった一人善がりが透けて見えたのもつまらなく、短い尺に救われた作品だった。