ちびねこ

遺体 明日への十日間のちびねこのレビュー・感想・評価

遺体 明日への十日間(2012年製作の映画)
4.5
リピートもの。
「死体ではなくご遺体です」
葬儀屋の振る舞いは死んだ人間に対してやたらと馬鹿丁寧だ。
当たり前か、ぼったくりなんだから。
それが仕事なんだから。
葬儀屋という職業に対してこんな風に考えていました。

あの東日本大震災の遺体安置所で市の職員達が呆然としている中で、ひとりひとりの遺体に寄り添い労い、その家族にも出来るだけの労りの言葉を掛けている元 葬儀屋の相葉。
これが実話を元に作られた作品だというからもう驚きを隠せない。
本当に頭が下がる思いでいっぱいです。

他にも医者、消防隊、最初は何も出来なかった市の職員達。
葬儀社の人達だって大変だったはず。
自分の家や家族、友人の事だって心配だったはずなのに…。

エンドロールで西田敏行以下、五十音順に出演者の名前が並んでいるのも良かったです。
まるで皆さんボランティアで出演してるのかな?って思えました。

震災は日本だけでは無く世界中で起きてる訳で、それは人々の心と身体を傷付ける。
それを癒すにはかなりの時間や労力がかかり、並大抵の事ではない。
明日から住む家が無かったらどうしますか?

凄く重い映画だったけど明日は我が身かも知れないんですよね。
他人事だとは思わずに、その時に自分はどう行動すればいいのか、出来るのか、を深く考えさせられる作品でした。
ちびねこ

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