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ザ・マスターのQMのレビュー・感想・評価

ザ・マスター(2012年製作の映画)
3.5
・カルトの話題豊富な毎日なので。宗教、カルト関連作品として色々な映画や書籍があちこちで紹介されているなかで最も期待していた本作。

・今回の騒ぎの当事者のところ含め国内の新興宗教では確かに女性が家庭や家族関連の悩みをきっかけに信仰に目覚めたり入信したりするケースが多いようだが、本作は男性の教祖?と信者?の関係が話の中心軸。男性の場合は歴史的に戦争によるPTSDなどが入り口となるケースが多いんだろうか。

・町山さんによる解説動画でこの監督による映画づくりの妙に関してはわかったし、サイエントロジーの信者だった親友の死が制作背景のひとつだということも興味深いんだけど、いわゆる宗教というよりは非科学的思想の話に思えた。ドッドがまったく悪気がなく、マインドコントロールしようとしてる風でもなく、自身の思想を確信しておりそれをフレディで試す。ただ劇中、パーティの席で不審に思った人が議論を投げかけたシーンで"一人の人間のいうことを信じるのはカルトだろう"といったような話があり、そういう考え方もあるのかね?とは思った。プロセシングの過程はリアルにあれやってそう。質問者と回答者の一方的関係性、反復、過去、懺悔。

・フレディは復員兵なのでわかるが、ドッドもかなりキレやすい。ドッドの過去がよくわからない。

・密航シーン、牢屋での喧嘩シーン好き。

・音楽も生楽器が多くてゆらぎがあり、やや不気味でよかった。

・今度はフレディ自身がマスターになろうとするかのようなラストはドッドへの憧れからなのか。また、その逆は何だったのか。
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