Sudachi

空気人形のSudachiのネタバレレビュー・内容・結末

空気人形(2009年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

どういう感情になればいいか、わからなかった。

性描写が生々しくて嫌だった。ペドゥナは美しいけどこんなにからだを映す必要があるのか謎だった。穏やかで静かな音楽とシュールでグロテスクな映像とのコントラストが激しくてくらくらした。

女性を模った人形を性欲の吐口として使う男性のいやらしさがとても際立っていた。お爺さん以外、全員同じ。気持ち悪かった。誠実そうなジュンイチも、結局はノゾミを性欲の吐口にして、それが自分を死へと誘ってしまう。誰も救われない結末に、どういう感情を抱けばいいのか難しい。ラストでたんぽぽの綿毛を舞い上がらせたのは、ノゾミの息であり、ノゾミに殺されたジュンイチの息。綿毛が人々に幸せを運んでいるようで、息の秘密を知ってしまったからには最高の皮肉にしか感じない。幸せそうに見えるお爺さんとお婆さんの出会いすら、皮肉のかたまりに見えてしまった。

駄作とは思わないけれど、いい映画だとも思えない。ひたすら気持ち悪い描写と心地よい音楽のギャップに酔い続けた。なんなんだろう、これは。
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