shizuq

空気人形のshizuqのレビュー・感想・評価

空気人形(2009年製作の映画)
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ペドゥナが無垢で純粋で美しい。
周囲の人々とのやりとりは微笑ましい一面、人間や物事の決して”美しい”だけではない、多面的な部分まで描かれている。それでも心を持ってよかったと思うノゾミの、彼を思う純真さに胸があたたまり切なくなる。

窓は手を出し綺麗…と雫に触れるシーンから、実際にペドゥナに変わるまでの描写が滑らかでうっとりした。音楽も相まってか、もう最初から切なかった。涙が流れたのは、そのせいだけではなくて、はじめて外の世界に出て色んな初めてを経験して他者と出会うまるで子どものようなわくわくが自分のことのように伝わってきたからだと思う。いいな、あんな風に世界を感じてみたいと思った。

全てのノゾミの行動が好奇心と、まっすぐな愛が理由だったからこそ、哀しい。
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