雪国のポエジー。モノクロの映像と雪の町によって可視化される、誰もが誰かの役に立たないという諦観。つらいけれどそういうことなんだ、自然だけがそのまま、わたしたちをそのまま、そのままでいさせてくれる、役立たずのままで。役に立とうとする、その振る舞いがシラけた感情にさせるばかり、苦しいというより、ちくしょう、ちくしょう、大人も子どももちくしょうと言う。でも誰も腐っていない。腐らずにいる。なぜか、なぜなのか。役立たずたちが役に立とうと頑張れるのは、役立たずたちの共闘、ともにあろうとする精神が、それぞれの結びつきが強固だからで、ホームと呼べる場所を情のなかに確保しているからだという気がしてならない。