かるもの

カルトのかるもののレビュー・感想・評価

カルト(2012年製作の映画)
4.5
役者が本人実名役で登場して、うさんくさーい感じの霊能力者も登場して、ある親子を襲う心霊現象に挑む現場を密着!みたいなありふれた心霊ドキュメント的テレビ番組のノリでスタートする映画です。
明らかに合成っぽい心霊映像だとかを見せられてキャーキャー言うタレントに追随する形のゆるーい雰囲気で進むけど、どんどんそれが親子を軸に気持ち悪い質感を帯びてゆきます。
親子を襲う心霊現象も、環境も、すべてが気持ち悪い。
それに進んで関わる撮影陣にも、その影響は現れ始め…っていう作品です。
その状況が取り返しのつかないピークに達した直後から、この映画の雰囲気は一変します。
結構、予想だにしない方向に一変する。
そんなことになる!?って思って笑っちゃうけど、これはこれでホラーというジャンル全体を見渡すと説得力のある強い展開な気もするのです。
熱い伏線回収の連打で、なんかもう多幸感すら感じる始末!
あのオチもまた「は!?」って思わず叫びたくなるけども、実は大抵のホラーは似た方向性の結末を用意しているモノなので、これはこれでお話の構造としては王道だという気さえもしてしまうというか。
ただ、そこに向かうまでに視聴者の感情は、いわゆるJホラーの終盤を視ていた時のものとは全く違う種類の王道テンションにさせられてるので…あのラストには、もうなんかビックリするしかないのです。
いや、もっとちょうだいよ!って感じ。
ズルいよ!とさえ言えます。
はい、ズルい面白さな映画でした!
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