かるもの

マーベルズのかるもののネタバレレビュー・内容・結末

マーベルズ(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

話してることは逐一難しげでややこしいので身構えそうになるけども、その実やってることは始終シンプルだし展開も場面転換もサクサク進むので思ったよりスカッと観られる映画でした!
MCUも長いシリーズになったけど、キャロルの内面描写をここまで丁寧にやったのって初めてではなかろうか。
キャロルといえばキャプテンマーベル!最強のヒーロー!みたいなイメージだけど、その強さと真っ直ぐさを振りかざすだけではどうにもならない現実に対する葛藤とか、映画キャプテンマーベルの頃から始まった自分探しは三十年かかっても終わっていないという痛ましさとか、すごくキャロルが身近に感じられる描写が多くてとても良かった。
それに並び立つモニカとカマラの寄り添い方もとても良い!特にカマラ!
愛情たっぷりの家庭で育った等身大の高校生ヒーローだからこその距離感が、キャロルとモニカの間に隔たる年月が培った心の壁が溶け去るのを助けてたと思うんだ。
独特のスイッチアクションももちろん最高だったけど、今作で一番グッときたのはやっぱり心の描写と触れ合いだったかも。
船の中で訓練と言う名のコミニュケーションでキャッキャしてたシーンとか最高よ。

あと、シリーズ物ゆえに生まれた文脈も良い味だしてたと思うんだ。
特にダー・ベン!メチャクチャ良かったな
あ。
あの、もう追い詰められて追い詰められてやらなきゃどうしようもなくなってる為政者の不安定な感じがお労し過ぎて最高でね。
そこまでリーダーの器でもなさそうなのに、自分がやるしかしょうがなくなって張りつめてるあの感じ・・・良い。
今回、話の流れとしてはキャプテンマーベル2でありミズ・マーベル2だったと思うのだけども、ヴィランがダー・ベンだからこそ成り立っていたという部分がとても大きいとも思う。
ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー1も観てると、よりお労しさが増して良いゾ!マジでAI頼りの治世だったからか、ロクな統治者いなかったんだなって!
状況がそうさせたのもあるけど、ダー・ベンが持ってたひたすら真っ直ぐに進むことの危うさみたいな部分は、キャロルと合せ鏡だったのかなとも思う。
パワーはあるけど、器用じゃない。だから対等な仲間が必要なわけで。
キャロルにそれを気付かせてくれて、一歩踏み出す背中を押してくれたのが、かつて似た悩みを持ってたヴァルキリーだったってのも最高やね!

それはそれとして、最後の最後で仲間に救われて冷静に考えられるようになれたのか知らんが、あんだけクリー本星めっちゃくちゃにしといて力を貸して!っていうかバングル渡して!ってのは無理やぞキャロル!
そらダー・ベンも「どの口が言うとんねん」ってなるわ!
あれがまだカマラだけなら話になるかも知れんかったけども、あの子も露骨にキャプテンマーベルフォロワーなの見た目からバリバリ出してるから、ダー・ベン的にやっぱ無理や!なんかもう全てにおいて詰んでる!そういうとこ、お労しくて大好きだぞダー・ベン!!

他にもグースファミリー爆誕とか、ドラマ版の雰囲気はどこへやら気の良いオッサン全快だったフューリーとかカーン一家ファイヤー!な感じとか、最高なとこ沢山あったのに、感想書き始めたら何故かダー・ベンのことで頭が一杯や!なんだあの魅力的なヴィランは!ヴァルチャーといい真マンダリンといいロキといい、やっぱMCUのヴィランは最高だぜ!
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