こめっと

人生、ブラボー!のこめっとのネタバレレビュー・内容・結末

人生、ブラボー!(2011年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

原題『STARBACK』
原題の方が面白い気もする。邦題はどこから出てきたのか…。
カナダが舞台で何故かフランス語。
と思ってググってたら有名な種牛がカナダの「スターバック」なのだそう。

これまたハピエンなので気分を上げたい、じんわり感動したい時のお供にどうぞ。

テーマは勿論「家族・繋がり」だろうけど、「本当の家族とは」ってのもテーマなのかな。
ダヴィッドが「週末は本当の家族と」と言った時のアントワーヌの「僕らだって本当の家族だ」というセリフが凄くグッサリくる。
お互いが家族でいたいと思いさえすれば遺伝子が繋がっていても繋がらなくても、一緒に居ても居なくても家族なんじゃないかなぁ。

主人公ダヴィッドは借金取りに沈められたり妊娠した彼女には呆れられ別れをきりだされたり仕事も人より遅くて、自分が所属してるチームのユニフォームの用意も出来ないダメダメ男。
でも両親に旅行をプレゼントしたり、スターバックチルドレンを一人ずつ手助けしたり向き合ったりスターバックチルドレンのバーベキューに大量の差し入れをしたり、自分の手の届く範囲に入った人達を大事に出来る人。
父親が言っていた「どこへ行っても人に好かれる」「山ほどの欠点を我慢できれば最高の瞬間も味わえる筈だ」という言葉からも家族が本当に嫌ったり呆れたりしているわけではないとわかる。

父親が借金のことを知って、家に来て話すシーンにテーマの答えも名言も全てが詰まってると思う。
「子供に充分金をやれなかったこと、辛いときに子供が側に居ないこと、俺の父はどちらが辛かったか。俺の幸せは毎日お前達に会えること。」
父は、自分が父親にしてやれなかったことをダヴィッドにしてやりたいんだろう。家族だから。
ダヴィッドは苦労してきた父を尊敬して、ダメな自分と比較して「こんな自分が父親だと知ったら子供は失望する」と言うが、父はダヴィッドがダメなだけの人間じゃないと知ってるし、自分を慕ってくれている息子はたとえ自分がダメな人間だったとしても同じように慕ってくれるんだろうと分かっているから“父親である一人の人間”としてアドバイス出来たんだろうな。

精子提供で産まれた命って、ほぼ確実に「望まれて産まれた命」だよね。
ダヴィッドの精子でなくても良かったかも知れないけど、誰かの精子がなければスターバックチルドレンの皆は産まれられない環境だった訳だから、結果論だけど正に「誰かを助けてる」訳だよね。
あと産まれた方が決めることだけど「精子提供で産まれた命は愛の結晶じゃなく自慰の結晶だ」とは言い切れないんじゃないかなぁ。両親に望まれた愛の結果じゃないか。

主人公が揺れ動く、天秤の傾きに凄く心揺さぶられる映画だった。
逆パッケージ詐欺で、映像ではパトリック・ユアールがめっちゃイケオジです。
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