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二郎は鮨の夢を見るのodyssのレビュー・感想・評価

二郎は鮨の夢を見る(2011年製作の映画)
2.5
【火の用心!ワラ百本火事のもと!】

日本の銀座に店を出している高級鮨店、およびその店主を、アメリカ人が映画にした、ドキュメンタリー。(この映画が公開された後だけど、米国のオバマ大統領も訪れて話題に。)

何しろ一人前最低で3万円だそうですから、鮨と言えば回転寿司しか思い浮かばない私なんぞには到底手が出ません。死ぬまで行く機会もないでしょうから、せめて映画だけでも見ておこうかな、という気持ちで映画館に足を運びました。

まあ、この店のコンセプトだとか、弟子の鍛え方、跡継ぎの息子たちの苦労など、それなりに伝わってくる映画ではあります。でも、そんなに意外性というか、なるほど、そうなのかあ、と心底納得したり感動したりするような域には達していないと思います。

私が知りたいのは、なぜ一人前3万円もするのか、というところ。原価がどの程度なのか、作中に盛り込まれているのかと思いましたが、さすがにそれはない。

築地(でしょうね)の魚市場で、昔のフィルムではマグロが巨大で、そのぶつ切りすら両手で抱えないと持てないのに、昨今のマグロが小さくなっているのが、むしろ私には印象的でした。『魚のいない海』なんて本が出ていて、漁業資源の枯渇に警告を鳴らしていますけれども、マグロの魚体が小さくなっている現状を見ると、本当にそうなんだなとうなづけます。

ところで、先日、この店では火事さわぎがあったよう。さいわい大したことはなかったらしいが、鮨屋さんは清潔さもさることながら、そのほかの安全性にも配慮しないといけませんね。とんだところでミソをつけたといったところでしょうか。
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