まちゃこ

ゼロ・ダーク・サーティのまちゃこのレビュー・感想・評価

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)
4.0
ビン・ラディン殺害までの過程を女性CIA分析官を中心に描いた実話。

監督(キャスリン・ビグロー)も女性、主人公も女性だけど、監督の前作「ハート・ロッカー」同様、決して女性らしい映画ではない。

テロ現場、CIA捜査のための拷問など、見るのが辛い場面、緊迫感に耐えられない演出、のギリギリのところを攻めてくる。

「ハート・ロッカー」の時も感じたけど、そのギリギリ加減がうまいなぁ、と思った。

最初は拷問を直視できなかった女性CIA分析官マヤが、最終的には女ボスみたいになっていく姿も、やり過ぎ感なく、良かった。

大量破壊兵器捜索の失敗、前回のビン・ラディン殺害計画の失敗、テロ対策で多くの民間人に犠牲を出していることなどにより、世間からの風当たりを気にしてアメリカが作戦決行にビビっていたり、拷問による捜査をやめさせたり、マヤ一人の情熱で作戦決行までこぎつけたことなどは、ほんとかなぁ?、と少々疑っちゃう部分も無くはないけど、全体的にリアルで、テロ対策の最前線ってこんななんだぁ、と見入ってしまった。

テロ現場の様子も臨場感があった。

9.11のインパクトが大き過ぎたこと、海外での出来事、あまりにしょっちゅう起きているから、ニュースでテロのニュースを見ても、正直あまり感情移入していなかったことに気付いた。

でも実際のテロは、一つ一つが普通の街中で私と同じような普通の人が一瞬で大量に殺される、えらいこっちゃな事なんだよね。

東日本大震災はまだまだ被災の最中だし風化させてはいけないという意識も大きいけど、世界で起きている戦争やテロも現在進行形で起きている大惨事。

全部他人事じゃないんだよね…。
まちゃこ

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