Osamu

チチを撮りにのOsamuのレビュー・感想・評価

チチを撮りに(2012年製作の映画)
4.2
血のつながりの不思議を観る映画。

女をつくって出て行ったお父さんに14年振りに会いに行く姉妹の物語。

お父さんに会いに行くことは、お父さんと別れ自分たちを育ててくれたお母さんの想いに向き合うことにもなります。だからタイトルには「父」ではなく「チチ」を使っているのだと思います。

この何十億人もの人類の中で、ほんの数人しかいない親きょうだいという特別な存在。その特別な存在との関係の中でいろんな感情が生まれます。その感情もやはり特別なものと感じます。

これ、いろいろと演出がうまいと思います。いちいち「そうか、そうか、辛かったねぇ」と親戚のおじちゃんの気持ちでうなづいてしまいます。一番のお気に入りは帰り道のきょうだい喧嘩。それから、姉の拇印の件も大好きです。

困難や不幸もあるけれど、こんなふうなお母さんときょうだいだったらいいな、と思います。

泣きました。
Osamu

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