MSTY

陽だまりの彼女のMSTYのネタバレレビュー・内容・結末

陽だまりの彼女(2013年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

幻想的なラブストーリー。真緒を演じる上野樹里さんがかわいいです。あと、幸せって何だろうと考えさせられる映画です。

映画のキャッチコピーは、「最初で最後の恋(うそ)」でしたが、「うそをついていた」というよりは「秘密にしていた」という方がしっくりくるかもしれません。

タイトルにもある「陽だまり」は映画の中でも視覚効果として出てきますが、この陽だまりは「日常の小さな幸せ」を象徴するメタファーなのかなと思いながら映画を観ていました。そして、その「日常の小さな幸せ」は、永続的に続く幸せではなく、いつか消えてしまう儚い幸せのように感じられました。

わたしは、猫という生き物は気まぐれな生き物だというイメージを持っているのですが、そのイメージにもし基づくならば、浩介が感じていた幸せは、猫のように気まぐれに訪れては去っていくものとして描かれているように見えました。時間の経過とともに陽だまりの位置が移ろっていくかのように、幸せというものが去っていってしまった、という感じです。映画を観ていて、「この映画で表現されている幸せはなんて儚いものなのだろう」と思い、観終えた後も、幸せというものの性質について少し考え込んでしまいました。

江ノ島にある恋人の丘で浩介が真緒に対して言った「50年でも60年でも、一緒にこの景色を見られるよ」という言葉は、この映画の中心に位置づけられている「幸せというものの儚さ」と対照をなす言葉だなぁと思いました。このシーンは、浩介にとっての「理想とする幸せ」と「実現可能な幸せ」との間のギャップを感じさせるところがあって、印象的であるのと同時にちょっと切ない気持ちになりました。
MSTY

MSTY