ミーミミ

風立ちぬのミーミミのレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
4.0
『どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう』

宮沢賢治の『風の又三郎』を思い出した


情熱と狂気は紙ひと重

気付かないうちに…

いや、気付いているかもしれない


次郎が「がんばります」という度に
国がそこに向かっていってしまう恐ろしさ

次郎が弧のカーブの美しさに魅了される程
片道切符の機体が次郎を離さない

次郎が刹那を生きる様に
妻の菜穂子もその刹那に寄り添っていく

美しい妻、菜穂子

最後の最後まで美しかった妻

次郎が時代に飲み込まれていったあと…

いまは夢のあと…だね


『君の零』…カプローニさんの言葉

重い言葉

君の零…


それでも
この世に居なくてはいけないのかい

その罪にむきあいながら

わたしは…生きるのだな

ねぇ、菜穂子

一陣の風がほら
いま渡っていった
ミーミミ

ミーミミ