アルパカ

かぐや姫の物語のアルパカのレビュー・感想・評価

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)
4.1
 ずっと気になっていたのをやっと見ることが出来た。お話の筋自体は子供のころから頭に入っているのでそれがどう映像化しているのか、というところ。 
 絵が綺麗で日本的な感じがするところが良かった。女童(側にいる小さい女官)が可愛い。声も田畑智子さんであっていてよかった。ジブリに良くある声優の声があっていない、というのが今回はなくてよかった。
 姫は捨丸が好きだと言っても捨丸の現実の生活はなかなか厳しい。かといって高貴な姫というのは窮屈な生活で、高貴な人と結婚して子供、というパターンにもはまりきれない、どうしたらいいか、じゃ月に帰る、ということになるのか。「月に帰る」ということは現世では「死」ということ。現実的にはそれができないから、「月は楽しそうだなあ、現世の穢れもないし」と思ってしまった。(笑)
 月の世界に感情の起伏はないので姫を連れ帰る人たちは全く空気を読まずただ連れて行く。そこはリアルだと思った。「月へ帰る」=「死」ということなら、現実でもあっけなく人が亡くなり、いい人が早く亡くなったりする、なんてよくあることだから。
 おじいさんが都に移ったら価値観が変わってしまっているのが哀しい。おばあさんがそれほどでもなく、終始姫に寄り添っているのが救いだったけれど。
 それにしてもなんで帝はあの顎なんだろう。(笑)