竜平

世界にひとつのプレイブックの竜平のレビュー・感想・評価

4.7
躁うつ病で、精神病院から退院したあとも元妻を忘れることができない男と、彼がひょんなことから出会う未亡人の女性。横暴で周り見ずな二人が共鳴しながら惹かれ合い、そして成長していく、という話。

あらすじから見て取れるのはラブストーリー、だけどどちらかと言えばこれはヒューマンドラマかなと。病気や人間関係といった暗くなりがちな話を上手くコミカルに、そして前向きに描いていく。主人公二人に限らず、両親や友達夫婦など登場人物がみんな独り善がりで自分勝手で、そんな面々が集まるもんだからもうてんやわんや。歯痒かったり若干イライラさせられたりの人間模様というのは好みを分けるところかもしれないんだけど、今作のようなドタバタにも似たいざこざって傍から見るとじつは滑稽で、尚且つその自己主張の必死さというのがなんとも魅力的だったりもする。自分より酷い状態の人を見ると冷静になるとゆーか周りが見え出すとゆーか、あの感じ。諸々踏まえて個人的には今作を「人間賛歌」だと思ってるんだけどどうだろう。見終わった後に前向きになれる、落ち込んでいる人にもオススメしたい、そんな一本。

ブラッドリー・クーパー、デ・ニーロなど、キャストもまた素晴らしいんだよなと。個人的にはジェニファー・ローレンス、今作の役柄がハマりすぎてて他のどの映画で見かけてもこのときの印象が出てきてしまう。最高。
竜平

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