さわら

世界にひとつのプレイブックのさわらのレビュー・感想・評価

4.5
「闇ばかりが人生ではない。きっとその先に光がある」、そんなありふれた言葉(見方によってはつまらない言葉)を見事映画化したのが今作である。説教くさくない点がすばらしい。欠けている2人でも、2人合わされば立派なピースになれる。希望に満ちあふれ、心震える映画であった。前半はパット一家の息もつかせない掛け合いが見事であった。早口でまくしたてる、ブラッドリー・クーパーの演技はなかなか見応えがある。表情も豊かで素晴らしい。後半のダンス大会での盛り上がりを期待したが、昇華しきれず終わってしまったのは残念である。それでもそれは枝葉に過ぎず、パットとティファニーを愛すべき人を失うという闇から這い上がらせるのに困るほどではない。脇を固める音楽も素晴らしく、期待以上の秀作だった。ちなみに言うまでもないことだが、ジェニファー・ローレンスは素晴らしい。1990年生まれの若手女優、末恐ろしい限りである。