ミーミミ

世界にひとつのプレイブックのミーミミのレビュー・感想・評価

5.0
逆境のなかにあっても
希望の兆し・ひかりは身近に!
フォーメーションを組んで皆んなで見守ろう!!

そんなメッセージが伝わる原題
『Silver Lining Playbook』

ちなみに、playbookは、アメフトなどのチームプレイの組織的戦略の用語でもあるらしい。

このお話のお父さん(ロバート・デニーロ)が無類のアメフト好き🏈なのも、それに寄せてるのかな。


この『世界にひとつのプレイブック(邦題)』
監督はデヴィッド・O・ラッセル。

家族の精神的な病を一緒に支えてきた監督だからの領域なんだろう。


誰にでも起こり得る人生の大変な時期
希望への足掛かりのストーリーは
痛みへの理解が深いぶん
解釈し辛い見た目をしている


初回は、なんだこれ!って感じ。
でも何故だかまた観たくなる。
それで2度・3度重ねるうちに
好きで好きで仕方なくなって
愛おしさでハチ切れんばかりに!

毎日観てても良いくらいに
人生の一本になった確信!


以下ネタバレ含みます。お気をつけて









パット(ブラッドリー・クーパー)は
8カ月の療養生活中。まだ治療のプログラムは残っている。

だが母親が突然迎えにきた。
それも独自の判断で退院を画策した模様。

家にはアメフト狂いのもとノミ屋で、強迫性障害を抱えた父親(デニーロ)が。

父も母もこれから息子の立ち直りを支援するチームの一員だ。

物語のなかには、アメフトの話題が頻繁に出てくる。

パットは、久しぶりに会った友人ロニー夫婦から退院祝いに招かれる。
キチンとした服よりもイーグルスの花形スター、デショーン・ジャクソンのユニフォームを着て行きたい!

そう相談するパットに
『彼は男の鑑だ!』と背中を押す医師。

じつはこの医師も
このフォーメーションの一員。

彼は非常に重要なアドバイスもくれる。

『彼女を救うことで自分も救われるんだよ』



話は逸れるが〜

悩みを輪になって共有するグループセラピーは、海外の映画でよく目にする。

これは治療にも予防にも役立つ精神療法で

グループ体験を通して自分と似た症状を持つ人と関わることで、自己理解が促進されるメリットがある。

ということは、タイプは違えど精神疾患をもつ父親と触れ合うことや

またティファニーと関り

相手のために何かをするということは
パットにとって最良の癒しになるということ。


そんなティファニーは、

ご主人を不慮の事故で失って以来のある依存症をダンス治療で克服しようとしている。

食事会で出会ったときから、パットの助けになりたいと、そしてパットが自分の助けにもなる。そう感じていたのだろう。

彼女には、パットの苦しみが痛いほどわかるのだ。
彼女がパットの母にランニングコースを聞いてまで、彼と並走するために追いかけたのは、涙ぐましい。

どんどん自分から逃げていくパットを。

デートしてもシリアル🥣に牛乳かけるパットを
紅茶越しに見つめるなんて、涙。

大好きなシーンは、そこからのケンカ!

傷つけられ、悪態ついてレストランを飛び出すティファニー。

仕方なしに付いてきたパットと路上で再度大ゲンカ。

パブから流れてきたトラウマ曲、スティービーワンダーのマイシェリーアモールに、顔面蒼白になるパット

そんな彼の変化をいち早く感じ取り、駆け寄り『聴こえないよ!鳴ってない』って
寄り添うティファニー。泣くね。

それで、今度は

不躾な警官の失礼な誘いに晒されたティファニーを

『もぅ尻軽じゃないんだよ』と追いかけるパットの優しさ。

もぅこの追いかけの構造が絶妙に移り変わっていくのが最高に良い!



クライマックスのダンスもまた良いね!

このダンスは、大技で締めくくられる。

それは、ジャンプしてくる彼女を『より高く』もちあげる大技だ。

自分の『より高く』を信条にしてきたパットが、ティファニーの『より高く』を下から支えるという…

なんという大技だい💦泣き泣き

これが見事に肉々しく情熱的に!決まる!


そして、ラストも

しっかり追いかけてくれて、情熱的なキス‼️

最高です‼️



p.s.
もはやチームのクォーターバックとなったティファニーの愛のサインを、要スター選手パットに見事アシストした父(デニーロ)の活躍は必見!

もちろん母も。彼女こそMVP‼️かな
ミーミミ

ミーミミ