かたゆき

キャビンのかたゆきのレビュー・感想・評価

キャビン(2011年製作の映画)
4.0
人里離れた山奥のロッジへとバカンスに訪れた大学生5人組。
だが、そこには人智を越えた存在が待ち構えていたのだった。
そんなベタベタな展開に、何故か彼らを監視するスタッフと思しき謎の人物たちが絡んでくる。

「いったいどういうこっちゃねん!」と思っていたら最後の最後で納得。
これっていわゆるメタフィクションだったのですね。
主人公たちを監視しストーリーを導いてゆくスタッフたちはまさに映画製作陣、そして太古の神々は僕たち観客ということなのでしょう。
「これってどうなるんすか?」「ここでゾンビどもが出てくるんだよ(半漁人でも良いけど)!」「くそー、日本もなかなか良いホラー創ってんじゃねーか」「うん、ここいらでオッパイ出しとかなきゃあかんやろー」とノリノリでストーリーを紡ぎだしてゆく彼らの姿は、若かりし日のサム・ライミをも髣髴とさせます。

そして最後に満を持して登場するシガニーウィーバーはまさに映画会社のお偉いさん。
いかにベタな内容の映画がウケるかを滔々と解説する彼女には笑っちゃいました。
しかし、そんな彼女に反発するかのように映画はまさかのハッピーエンドへと向かい始めます。
最後、「結局、清楚なヒロインの女の子はチャラいくせに理屈っぽいサブカル野郎と手に手をとって幸せに死んでいくのかよ!ごるぁ!」とDVDプレーヤーの停止ボタンを押すかの如く出てくる世界を崩壊させる太古の神々の手は、そんな映画を散々観まくってきた監督の魂の叫びですね(基本、映画オタクはリア充嫌いだし笑)。

確かに後半のぶっ飛んだ怒涛の展開(映画オタクにはたまらんキャラがいっぱい出てきます笑)には圧倒されましたけど、映画としてさすがにこれは反則だろー。
でも一回だけなら許しちゃう。
ちきしょー、面白かったじゃん、これ。
でも、今回だけだよ、次やったら怒るからね(笑)。
かたゆき

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