JONEY

キャビンのJONEYのネタバレレビュー・内容・結末

キャビン(2011年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

山奥の別荘で羽を伸ばそうと計画する大学生の男女5人。
しかし彼らは謎の組織に監視されており、その組織の描いたシナリオ通りに事が進行するよう、発言や行動をコントロールされてしまっていた。
事態に気づかない彼らは、別荘の地下に入り込んだことにより発生した怪異に襲われ、追い詰められていくが…

というざっくりあらすじ。



2回目の視聴になるのですが。

ある目的のための生贄として選ばれ、生贄に相応しくなるために作られたシナリオ通りに行動し殺される事を気づかないうちに強要されてしまっている彼らの恐怖、絶望。
そして、彼らを無事に生贄にすべくあれこれと手を尽くし、時に過酷な業務の息抜きとして、彼らをネタに賭けに興じ馬鹿騒ぎする謎の組織側のコメディ映画めいた一喜一憂具合。

まーーー面白いですね。

ホラー映画の登場人物や舞台のテンプレ、展開の様式美、そして作り手や視聴者を散々に揶揄したメタホラーだけれど、そこから一捻りし、独自の展開に持ち込む終盤が最高にシビれる。

彼ら5人は何のために、何の供物にされてしまうのかと言えば、世界を滅ぼすほどの力を有する”下のお客様”(好物:テンプレホラー)の為だと判明するのですが、大学生グループのうちの生き残りが生贄の儀式を失敗させたところで「彼らは奇跡の生還を果たしたのだった…」にならないところに「誠実だな…」と笑みが溢れてしまう。

冒頭からエンディングまで、一粒で二度美味しいどころか、三度も四度美味しい。
唯一無二の味がする作品で大変良かったです。


余談ですけど、Jホラーがリスペクトされているのを感じられるのもいいので、その辺も是非注目していただきたいです。
JONEY

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