さわら

愛、アムールのさわらのレビュー・感想・評価

愛、アムール(2012年製作の映画)
5.0
見るのが辛かった。映画のほとんどの場面が室内であり、よい展開が想像できないし、閉塞感が息苦しい。物語は常に破滅に向かっており、ラストまでそれは変わらない。淡々と「老老介護」の日々が描かれているだけの映画だった。 男は妻を介護していくうちに、自分の殻にこもり始める。外の環境の一切を遮断するのだ。しかしそれでいて、2度も外から鳩が侵入したのは印象深い。この世に完全に隔離された場所なんてないということを示すかのようだ…。2匹目の鳩を抱きしめる男の姿に、深い感動を覚えた。 暴力や性などの印象が強いハネケ監督の新たな境地を見た気がする。間違いなく傑作!必見の価値あり!