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千年の愉楽のodyssのレビュー・感想・評価

千年の愉楽(2011年製作の映画)
3.0
【女性向けかも】

中上健次の原作は未読。

紀伊半島の路地(被差別部落の中上流の言い換え)に住む或る家系の男たちの物語。モテるけど長生きしない男を生み出す家系、ということらしい。

まあそういうわけで、この映画では若い男優に注目して見るのがいいんだろうとは思う。だけど私は男だし、あっちの趣味もないので、どうしても女に注目して見てしまう。

そういう見地からすると、高良健吾の奥さん役の石橋杏奈を除くとイマイチ女優に魅力がないのが気がかりだった。若い男にうつつを抜かす中年未亡人など、もう少し色気がないと。

それから、生きる焦燥感のようなものがこういう若いけど短命なモテ男には必要な気がするのだけれど、その辺、どうかな。高岡蒼佑には或る程度出ていたかも知れないが、高良健吾はなんか呑気さしか感じられなかった。

あと、時代性の再現も少し弱いんじゃないか。ヒロポンだとか、戦後間もない頃の風俗には、それなりの背景も含めて描かないとね。

まあ、しかし、男女のしがらみを描いた映画として退屈はしなかったので、この点数。男優に注目して映画館に行く女性にはいい作品かも知れない。
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