ちょろもち

アンナ・カレーニナのちょろもちのレビュー・感想・評価

アンナ・カレーニナ(2012年製作の映画)
3.0
原作未読。

1分に満たないが臓物がモロに映るシーンが唐突にあるので、グロ苦手な場合は注意。
セックスシーンは夢のように婉曲的な表現をするのに、臓物シーンはバッチリ映す、その判断基準、謎。

映画の中で劇場という装置をフルに活用してストーリーを見せていく手法が素晴らしかった。
華やかな貴族社交会は劇場舞台の上で眩しいライトできらきらと演出し、貧しい庶民の生活の場は劇場舞台裏などで埃っぽさや暗さ狭苦しさでもって、それぞれ見事に表現されていた。
また、ワンシーンを長回しして舞台背景の転換でシーンの切り替えを行うなど、正に舞台演出に準じた演出も取られており、それが鼻につかず分かりにくさもなく見事だった。
途中からは、この特殊な方法のことも忘れてストーリーに見入っていたので、本当に見事な演出なんだと思う。

恋で理性を失ったり人生を狂わせることに全く共感できないのでストーリーについては、そうなんだという程度の感想。
アンナは好いていなかったけど、カレーニンはとても素敵な人に見えるんだけどなと思ったら俳優がジュードロウだった。なるほど素敵に見えるはずだ。あるいは、ジュードロウの素敵さが強すぎて、アンナに共感できなかったのかも知れない。

絵面はすごく好き。