a

アンナ・カレーニナのaのレビュー・感想・評価

アンナ・カレーニナ(2012年製作の映画)
3.5
一言、「美しい」
この映画は本当に美しい。

こんな空間移動をしながら撮影する作品、見たことない。
まずそこで面白い。

原作はトルストイの「アンナ・カレーニナ」なので、正直私は取っつきにくいかなぁと思ってたんだけど、撮影が面白いのでグングン見てしまった。
という意味で、この作品は良く出来てると思う。

ただ疑問点も多くて、原作を読んでいないからか、アンナとキティの関係がイマイチ見えてこなかった。
途中で、あぁ比較してるのかな?って思ったりしたけど、しっくり来ず。
比較対象にしては、あんまり関わりがなさすぎないかな?

アンナの選んだ愛の形と、キティが選んだ愛の形は確かに違う。
アンナは愛されたいということを強く願って、キティの場合は愛したいということを最終的に選んだ?のかな??
そこが少し分かりにくかった。

なんとなく途中からラストが見え始めて、こういう感じで終わるんだろうなっていうラストと全く同じだったけど、それでも見て良かったと思う。

見ながら思ったのは、「ウォールフラワー」のセリフだった。
「なぜ、私や私の愛する人たちはひどい扱いをする人を選ぶの?」
「自分に見合うと思うからだ」

アンナは愛を受けることが、自分に見合うと思った。
だから愛を真正面からくれないカレーニンを自分に見合わないと思ったし、自分が大切にするに値しないと思ったのかもしれない。
ヴロンスキーは愛をくれる人だったから。
原作はどうか知らないけど、映画を見る限りではそう思いました。

古典を演じる俳優さんたちって、どんな研鑽を積まれているんでしょうね?
もし私が今アンナカレーニナやってくださいって言われたら、絶対無理って言いたくないけど、セリフをきちんと入れて、精一杯稽古してもたぶんビビるし、無理だと思う。
肝の据わり方が違う。
世界の俳優さんたちのそんなところを本当に尊敬します。
古典をきっちりとできる人になりたいなー。
a

a