蛙

偽りなき者の蛙のレビュー・感想・評価

偽りなき者(2012年製作の映画)
4.0
サッカーで日本がコスタリカに敗れて、少し重い映画が観たくなってTSUTAYAさんでレンタル。かなりシリアスな話だけど、マッツ・ミケルセンの魅力もあり最後まで集中して観る事ができました。深い余韻と、自分なら、と自問自答が止まらなくなる鋭い問題提起を持った映画でした。

【以下内容に触れます】




マッツ・ミケルセン演じる主人公ルーカスが勤め先の託児所で1人の女児の嘘から、あらぬ疑いをらかけられ、狭い村の中でそれは事実として伝わり、彼への制裁が恐ろしいスピードで加速していきます。

その中で、彼の恐怖、憤り、安堵、諦め、ありとあらゆる感情が目まぐるしく表れ、混ざり合っていく。それをセリフによる説明ではなく、表情や動きで映画的に表現していく見事な演出と演技でした。パッケージにもなっているルーカスの表情。見終わった後だとこの表情を見るだけで胸が締め付けられそうになります。

きっかけとなった女児は、事実を知っている観客の立場からは好意的には見れないはずですが、小さな娘を持つ私は「どうか傷ついてくれるな!」と娘ムービーとしてもハラハラ観ていました。

観ていてまず感じるのは、不確かな情報を信じ込んで、加担していく愚かしさへの怒りと恐怖でした。ただ、深い余韻の後で考えるのは「もしルーカスが冤罪ではなく、罪を犯していたら」現実へフィードバックする時は、この可能性も捨てられないと思わされました。別の映画でありそうですね。

希望が持てるとしたら、今観るよりも10年前の方が、現実的と感じただろうと思えまたところです。この10年で人々のモラルの平均値は上がっていると感じます。もちろん、まだまだ直すべき所はいくらでもありますが、それでも良い方向に進んでいると感じます。こういう映画を観て育った世代が成長する時は、もっと希望が持てるとも思いました。


今日の明けた朝にはスペイン戦。また重い映画が観たくなる予感。

12/2追記
ぎゃーーー‼️
変な予感を感じていてごめんなさい🙇🙇‍♀️🙇‍♂️最高でしたーー‼️‼️
蛙