くりふ

恋する輪廻 オーム・シャンティ・オームのくりふのレビュー・感想・評価

3.5
【カレー茶漬け】

頭の中にカレー味のお花畑が咲き狂うかと期待したけど、意外とお茶漬けでした。

舞踏監督出身とのことで、ダンスはどれも楽しかったんですが、ドラマは凡庸。締めがあまりにありがちの尻すぼみで、拍子抜けしてしまった。終盤の展開など、Jホラーなんて見慣れていると膝カックンです。

また、ここは仕掛けのせいで、ヒロインの見せ場が盛り上がらない。シャー・ルクの「ミュージカル尋問」なんていかにも、で面白いのに、その後に、ディーピカーのダンスが続かないのが残念でした。

彼女、70年代篇では凄くチャーミングなのに、現代篇に入ると、まるで操り人形になってしまいますね。これは脚本の欠点だと思う。

実質デビュー作だそうで、確かに表情の硬さなどもありますが、ラストに向けて魅力が爆発する流れを作ってほしかったです。ま、彼女のスクリーン映えに萌えるだけで、お釣り来るんですけど(笑)。

シャー・ルクはよい仕事してまんな、と思いました。実質彼のPVである挿入歌「Dard-E-Disco」のフェロモン・パワーは、年齢考えたら拍手ものですね。これはラジニではできないところ。

シックスパックがお見事。女性どころか一部その筋の男性ファンを、絶対狙ってますよね、あのしつこい「ぶっかけ」は!(笑)

本作はインド映画史のパロディでもあるので、やっぱりそこは、元ネタがわからないとシンドイ。また、劇中の映画賞授賞式からパーティの盛り上がりまで、インド(ヒンディ?)映画スター勢揃い!というノリノリのダンスが延々続くんですが…誰も知らない!(笑)

多分もっと、インド映画に多く親しんで、本作をみ直したら、味わいがまるで違って来るんだろうと思います。

なわけで、もっと多く、色んなジャンルの映画が入ってきてほしいです。とりあえず「ボリウッド4」は通うつもりですが。劇場に行った時、日曜の昼で埋まりは7割ほどでした。すこし寂しげ。

<2013.4.4記>
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