「全力歯ぎしりレッツゴー♪ギリギリ歯ぎしりレッツフラーイ♫」
耳から離れないこのフレーズ、恐ろしい。
少々荒くれているが、“流行りのCM”感をガッツリ抑えてる。
園子温監督、最近、ちょっと色々アレだけど、実はこの人の映画、初めてちゃんと観た。ここに来て初めてちゃんと観た。
なんだか騒がしい。とても騒がしい。これが園子温監督流儀、か。
騒がしく、いくつかの話が錯綜しててんやわんやだけど、それが少しずつ少しずつお互いで歩み寄ってくる。
板尾、でんでんの件とかまったく寄って来ず、でもやたらと無駄に爪痕残しながらちょこちょこ入ってきて寄り添ってくる奴らもいる。
このクセのある勢いとの情報の錯綜感をこういうアクの強い雰囲気で破綻しないように力強く手綱を締める感じ。
ハセヒロたち、完全なる映画バカチーム。講釈垂れまくりながら若いギラついた勢いで始まり、何も始まらないまま惰性でダラダラ時だけを重ねた映画バカチーム。
簡単にいうと、この映画バカチームと全く関係なくもないけど、ほぼ関係ない世界のヤクザの抗争がベースにある。
そのヤクザ同士がいざこざを繰り返し、ついには最後の全面対決、、、の模様を、なんとこのクソバカ映画チームが映画に仕立てる、、、という話。
、、、すげー話。
なんて言うのか、この監督がおそらく映画バカで、そうでもないと、この切り口はなかなか思い付けないと思う。
そして、さらにそんなむちゃくちゃな設定と筋書きをちゃんとした極道アクション仕立てのエンタメ映画に仕立てられる腕力。
散々バラバラ破茶滅茶めちゃくちゃジャブジャブバシャバシャにとっ散らかして、情熱だけのバカなチームが、全員の情熱を昇華させる。
よくわからんウブな青春があり、極道抗争がある。
最初はなかなかどこに向かうのかまったく要点を得なくて心配になるが、最後まで観て初めてそこまでのてんやわんやの真価がわかるパターン。
日本らしく和風で!刀でいきましょう!から、銃声??、、、からの怒涛のやりたい放題、もう手加減なし、演出の演出が極まってる。
“映画を撮る映画”、、、の映画?
インパクトと企画と切り口と繋ぎ方において、絶対にできないところで豪快に一本背負決めて1本勝ちしてる作品。
キャストのクセの強さがこれほど活きるとは。
二階堂ふみ、めちゃくちゃ可愛い。この狂気的なシチュエーションとスタイルだから何か余計に艶っぽさを感じた。
星野源、強烈キャラがひしめく中、ある意味1番しぶとい。
カロリー高そうだと思って観るのに気合いが必要だと思ってて、実際やや気合いは不可欠だったが、出てる全員の気合いが伝わってこっちもノッて観れた感じ。
好き嫌いありそうだけど、なかなか思ってた以上に楽しめた。
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