【第68回ヴェネツィア映画祭 審査員特別賞】
フランチェスコ・ロージのドキュメンタリー『海は燃えている』を思い出した。あそこに出てきた少年がもう少し大きくなったらこんな感じかも。
監督のエマヌエーレ・クレアレーゼは『新世界』でヴェネツィア映画祭銀獅子賞に輝き、本作はアカデミー賞イタリア代表にも選ばれている。
緩急の付け方が絶妙で、短めの尺の中に難民問題や家族の問題、青年の成長物語を上手く詰め込み描いている。
難民の女性と青年の母親の女性同士の共鳴を感じるシーンとかはスゴくよかった。シリアスなテーマではあるけど、クルーズ船でのダンスなど思わず笑ってしまう描写もあり退屈しない。
最初は青く美しい海が難民たちが押し寄せるシーンや最後のシーンでは暗く、まるで闇に飲み込まれるように描いているのも素晴らしい。