マフィア映画を皮を被った風刺映画
映画の舞台は2008年です。
これはオバマ大統領が就任した時期です。当時アメリカは金融危機の真っ只中。
本作はアメリカ全体で起こっていた金融危機をとても小さいなマフィアたちの世界に置き換えて描いた作品です。
劇中では大統領選のニュースを何度も何度も流れています。大統領は演説では希望に満ちたメッセージ、でも舞台となるニューオリンズは見ての通り、希望なんてこれっぽっちもない。
自分たちの金は自分たちで稼ぐしかない
という当時のアメリカ政権を猛烈に皮肉っています。
金に執着する登場人物たちの行動は笑ってしまうほど滑稽だし、来たのは良いけど全く役に立たないジェームズ・ガンドルフィーニ。これは金融崩壊に何もできなかった当時の財務長官を思わせたりと 要所要所に明らかなアメリカ批判を入れています。
そして、ラストでブラッド・ピット演じる殺し屋が依頼人に言うあのセリフ。
あのセリフがすべてを物語っています。
そのセリフを言って、エンドロール〜
切れ味がいい〜 最高のラストでした。
確かに賛否両論なのは理解できます。
正直変な映画です。でも僕はこの映画嫌いになれない。観れば観るほど味わい深い。
傑作だと思います。