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ヘンゼル&グレーテルのくりふのレビュー・感想・評価

ヘンゼル&グレーテル(2013年製作の映画)
3.5
【拾い物バトルメルヘン】

まーたハリウッドのバトル仕様メルヘンかい…と思いつつジェマ・アータートン目当てにレンタルしてみりゃ、お、意外と拾い物でないの。『処刑山』の監督なのか…みてないけど。

ちょっとおマヌケグロアクション、というやりたいことがはっきりしていて、そのせいか尺も短くていい。楽しんで撮ってることが伝わります。

で、ジェマとジェレミーの旬なパワーが本作を一段、底上げしていますね。

幼い頃、お菓子の家で魔女退治をしたヘンゼルとグレーテルが、大人になったら魔女ハンターになりました…て漫画みたいなお話ですが、いくらでも面白くできるだろうお話を、腹五分目くらいに抑えちゃってる感じがなんともご愛嬌。名画座B級二本立ての一本みたいな満足感。

『死霊のはらわた』のような無茶馬力はありませんが。でも、スカしてるくせにつまらないアリスとか赤ずきんとかスノーホワイトなんかより、私はずっと好感もてました。

何よりジェマさんのおっぱいにキチンと芝居つけてるところが素晴らしい!(笑) あと景気よく人体炸裂するのがたま嫌ー!な花火、みたいでいいや夏だし。

主人公がプロのウィッチ・ハンターなのに、戦い方がまるで洗練されていないのも可笑しい。結局殴り合いばっかかよ!

でもこの泥臭さ、例えば『マッドマックス』一作目のざっくり感を思い出したし、この監督化けるかもなあ…という楽しみも湧きましたね。

しかしお菓子の家は糖尿を引き起こす…て設定には、こんな時どんな顔すればいいかわからないの…に陥りましたわ。まあ、笑えばいいと思って笑いましたが。

そんなキョトン心に陥る箇所が幾つもあるのもまあ、隠し味ですね。

ファムケ・ヤンセンさんが魔女の親分って相変わらず適役だわ。でも特殊メイク要らないと思うけどなー(笑)。本作、魔女を汚物みたいに扱うのはヒドイ。白い魔女を言い訳ぽく出すことで、魔女虐殺を娯楽化しているんですね。ちょっとコレ、引っかかりました。

谷間止まりのジェマさんに比べ、逞しき臀部サービスの第二ヒロイン、ピヒラ・ヴィータラさんにちょっと惚れました。フィンランドでの監督作品では常連さんのようですね。もっと彼女は見てみたいです。

<2013.8.12記>
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