りょすけ

そして父になるのりょすけのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
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そして、父になる
時間か血か。それぞれ異なる環境下で生活してきた家族の価値観の違いがめっちゃ考えさせられる。
一番強く思ったのは、価値観に良悪はなく、「違い」であること。一番感情移入できたのは福山のポジ。自分の中でもっている考えをリリーフランキーに否定されている流れに我慢ができず感情を軸に「2人引き取る」と言ったシーンはとても考えさせられた。

真面目に働いていることが「良」わけでもなく、礼儀や体裁より「楽」を優先することも「良」わけではない。それぞれの人には育ってきた環境があり、それは一人一人同じことはない。どうしても価値観に違いが生まれるのは当たり前で、その価値観が「同じ」人に会えた時は幸せと思うべき。もしくは、自分の価値観より相手の価値観を大事にしたいと思えるほどの人に会えたときも「幸せ」と感じるべき。

自分が育ててきた子供が自分の子ではない、という事実は、今までの思い出や努力、築き上げてきたことが全て壊される感覚だと思うし、我慢できるはずがない。そのような状況になった時、何を思い何を優先するのか。「金」は大事。でもそれ以上に、誰とどんな時間を過ごすのか、自分で頑張って稼いだ「金」を、誰と何に使いたいと思えるか。大事なのは、お金を持つことでなく、愛する人のためにお金と時間を費やすこと、費やしたいと思える人に出会うこと。

最後に「血」ではなく「想い」を優先した終わり方は、個人的には良かったと思えるラストだった。
りょすけ

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