あかつか

そして父になるのあかつかのレビュー・感想・評価

そして父になる(2013年製作の映画)
5.0
近所のツタヤがDVD、CD、コミック含むレンタル品を全品大売り出しし始めて、じき閉店に。溝口健二も増村保造も京マチ子も若尾文子も市川雷蔵も、このツタヤで借りまくってたからとても思い入れがあったので、大売り出し最終日の底値を狙ってこの際なにか記念に…と思って、アイドルCDを吟味する女子中高生と、段ボールに次々と商品を放り込む転売ヤーが入り乱れるというカオスな状況のなか、100円でこれのDVDを購入。あと、長渕剛と電気グルーヴのCDを各50円で買った。関係ないけど吉田兄弟とMay J.が売れ残ってたの印象的。跡地には何が入るのだろうか。せめて文化の香りがする施設が入ってくれ。

本題。電器屋、軽トラ、裕福じゃないのに子だくさん、時計が読めない子ども、関西弁、みんなでお風呂、雑魚寝、口癖「オーマイガー!」。こんな人たちと交わりたくないからお受験したのにね。

川崎の片隅の、ネズミがいて雨漏りしちゃうようなボロ家で育った私なので、どっちかというと福山雅治がリリー・フランキーに送る視線に似たものをよく浴びる。『万引き家族』、『ベイビーブローカー』同様、家族()とは、絆()とは。

決して裕福でない真木よう子なのに、毎日美容室に行ってますみたいな髪型。

劇中曲『ゴールドベルク変奏曲』は32の小節からなる。アリアから始まって30の変奏が展開され、最後に再びアリアで終わる。時に明るく、時に怠惰で、時に破壊的。まるで私達の人生をなぞっているかのように無限に繰り返される。というのは全部島田雅彦の受け売り。『羊たちの沈黙』で使われてからサイコパスなイメージついたよな。
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