ヨッシー

そして父になるのヨッシーのネタバレレビュー・内容・結末

そして父になる(2013年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

看護師の出来心で、6年前に起きた赤ちゃんの取り違いから始まる物語。
「血の繋がり」か「育ての親」かという話かと思って見始めた訳ですが、万引き家族の監督だけあって、その題材を描くに当たっても設定が深くて細かい。
福山雅治演じる父は、血の繋がっていない後妻によって育てられた境遇でありながら、父からは血の繋がり故のこれからの現実を突きつけられ、6年間一緒に生活した子ではなく、血の繋がった子供との生活を選びます。
とはいえ、6年という時間を過ごした後に家族が変わりますと言われても大人以上に子供にとって、その環境の変化は受け入れられないもの。
とりわけ、そう選んだはずの福山自体がうまく行かない関係に苛立ちをあらわにする事すら起き始めました。
そうこうしていた中で職場替えを機に、それまで仕事一辺倒で家庭を顧みなかった福山にも心境の変化が生じますが、決定打は血の繋がって居なかった子が撮った写真の存在を知った時。
この演出はズルいと思いつつ、この直後に本当の親のもとで生活している子供に会いに行くのですが、2つの並行した道を二人で歩きながら、福山がこれまでの事を謝罪し、その道の先で一緒になる場面はとても良かったです。
私は子を持つ身では無いので、本当の感情を理解することは出来ないと思いますが、血の繋がりは無くても、親として接した子は、血の繋がりを超えると思います。
血が繋がってるというのに不幸な出来事をニュースなどで目にする事が多いからかもしれませんが。
そんな不幸な事例が多々あるが故に、こういう映画を通して感じる愛に救われるのかもしれません。
最後にキャストの話ですが、なんなんでしょ、リリー・フランキーって。
こういう役、彼を置いては出来ないと思ってしまうのは私だけでしょうか?
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