いちじく

クロニクルのいちじくのネタバレレビュー・内容・結末

クロニクル(2012年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりの再鑑賞。やっぱり凄く面白い。

不思議に開いた穴を突き進んだ男子高校生3人が超能力を手に入れる。
共通の秘密を持った3人は仲良くなるも、家庭環境が荒んでいて内向的なアンドリュー(デイン・デハーン)が暴走。宥めようとしたスティーブ(マイケル・B・ジョーダン)を殺してしまう。
母親の薬を手に入れるために力を行使するも失敗。母親が死亡し父親になじられて決定的に暴走してしまったアンドリューをマット(アレックス・ラッセル)が殺傷する。
生前にアンドリューが行ってみたいと
言っていたチベットにカメラを残し、超能力の謎を探りに一人旅立つマット。


それぞれのキャラクターが立っていながら10代少年の浅はかさ幼さが出ていて◎

自然と追ってしまうようにチアリーダー達を撮影してしまうアンドリュー。
ガッツリ意識してガラス越しの女性の尻を撮影するスティーブ。
ユングやらプラトンやらを引用して人間理解・自己理解をしようともがく意外と中二感のあるマット。
頂点捕食者等の中二ワードが、キャラクターの幼さに馴染んでいる。
不可思議に空いたトンネルに潜り込んでいく考え無しの陽キャ2人と、怯えながらも付いていく陰キャ。

人生最良の日だと2人に告白するマットだけど、アンドリューだけはずっとカメラの方を見ている。

親としての責任を権威だと勘違いして暴力的に振るう父親。最後までクソヤロウだった、、、。お前が謝るんじゃないんか。
荒んだ家庭の空気感がリアルで居たたまれない。

以前に鑑賞した際は、もっと希望のあるラストだと感じたけれど、今見ると美しい景色でありながらだいぶ陰鬱。
今回の鑑賞ではマットの行動が決意の前進ではなくて、アンドリュー殺害の罪悪感に囚われた結果に見えた。切ない。
人を助けたいという動機も彼女に近づくためだし、、、あまり主体性のあるキャラクターでは無いように思える。
「わかって欲しい。仕方なかったって。」
いちじく

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