「ライオンキング版ロミオとジュリエット！」
ディズニーが90年代の方針で人気作品をとりあえずビデオスルー出しまくって金儲けに走っていた時期が嫌いなためその頃の続編はクオリティも落ちるので観てなかったのですが、本作はなかなかよかった。
ストーリーも次世代になりシンバが統治するようになった国で、元スカー派のライオン達を追放して分断状態になっている。新しい王としてのシンバの重圧や葛藤。敵同士の中惹かれ合うシンバの娘のキアラとスカーの義理の息子のコブの関係性は「ロミオとジュリエット」を下敷きにしているのでストーリーとしては安定して楽しめる。
※ちなみに1は同じくシェクスピアの「ハムレット」がベース。
スカーは根っからのヴィランでしたがその別の生き方としてコブの姿を重ねて切なくなるし、ムファサのような王になるために未熟ながら敵のライオンを追放したり、娘に過保護になってしまうシンバの王として父親としての成長も一作目が好きだからこそ熱い。
そして楽曲としては名曲「He Lives in You（お前の中に生きている）」がOPからかかって最高。ブロードウェイミュージカルや劇団四季でも流れる素晴らしい歌です。
さらにキアラとコブの2人の愛を歌う「"Love Will Find a Way" (愛の導き）」もディズニーデュエット曲の中でも屈指の名曲ですが、歌われるシーンも最高でした。
安易な続編には批判的ながら、前作のキャラが好きなため何やかんや感情移入して楽しめました！
ただ欲を言えばラストの展開がだいたいのディズニーヴィランは最後都合よく事故死して退場という流れがありきたりすぎるので、分断からの和解を描くならしっかり今作のヴィランのジラも受け入れてあげてこそ真の和解だったのでそこは残念でした。
