「かつての初恋がフラッシュバックする等身大のヒューマンドラマ」
各所非常に評判が良く、アカデミー賞でも並み居る競合と並び、初監督作にも関わらず作品賞ノミネート果たした注目作。
かつての初恋相手との再会というあらすじを聞くとどんな恋愛ドラマが待ち受けているのかと身構えてしまいましたが、なるほどそっちの方向かと鑑賞後に納得。
監督が自身の体験をベースにしたからこそのリアリティのある関係性、ドラマティックな展開はあえて削がれている等身大でリアリティのある絶妙な人間関係や役者のみなさんの表情が素晴らしい。
特に主演の2人以外だと既婚済みの主人公のノラの旦那役のアーサーの立ち位置や人間性みたいなものが素敵だった。
いわゆるベタな恋愛ドラマなら初恋相手と再会するのに、なんとなくで結婚してしまった夫は悪役的な立ち位置になりがちなのを本人のセリフで予告にもあるような「この物語で僕は運命を阻む邪悪なアメリカ人の夫だ」というメタ的ともとれるセリフをいえてしまう俯瞰的な目線があり、彼の立ち居振る舞いがこの作品を奥深いものにしてる気がしました。
どんな作品か理解した上でもう一度見直したい作品でした。